飴色蝶 *Ⅱ*
庵の唇が、菫の唇に触れる。

庵の口づけは、とても激しくて

私は、息が・・・できない。

離れた唇から、彼の
本当の想いが溢れ出す。

「お前を重荷に感じた事なんて
 一度も無い
 俺の命に代えても、お前一人
 ぐらい守ってやれるさ
 でも、なるべく危険な事から
 お前を遠ざけたい
 俺は、お前が足手まといだと
 言うしかなかった、ごめんな」

庵の手が、優しく私の髪に
触れた。

「ううん、イオリは
 何も悪くないよ
 私こそ、嘘つきだ
 なんて言葉
 ごめんなさい
 
 貴方に逢えない日常が
 どんなに寂しくて堪らないか
 を知っている私はどうしても
 貴方の傍にいたくて・・・」

髪を優しく撫でる彼の手が
私の後頭部に触れた瞬間
強く、彼の方へ押しつけられ
私の額が、彼の胸に触れた。

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