飴色蝶 *Ⅱ*
逢えなくても、二人の想いが
離れる事は無く繋がっている
事実を、あの半年もの間
逢えなかった日々が、既に
実証している。

だから、離れている事に

不安は無い。

唯一、心配なのは、庵のこと

彼の身に、何事も起こら
なければいいのだけれど。

庵の胸に抱かれながら
菫は呟いた。

「イオリ、死なないでね」

「ああ、お前をひとり残しては
 死ねない」

その低い声で、貴方が
告げてくれる。

私は彼の声に、言葉に
ほっと安心する。
 
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