飴色蝶 *Ⅱ*
「すぐに、カナメを
迎えに来させる
用意をして待ってろ」
「うん」
「シュリの言う事を
よく聞くんだぞ」
なかなか、この部屋を
出て行こうとしない
庵の胸に、菫は抱きつき言う。
「イオリ、私、子供じゃないよ
心配しないで、大丈夫だから
早く、迎えに来てね」
庵は、見上げた菫の頭を優しく
撫でた後
この部屋を、出て行った。
彼の足音が、遠ざかって行く。
まだ、小さく、微かに
聞こえる足音。
そして、とうとう
何も聞こえなくなってしまった
だけど、これは、別れではない
今度、彼の足音が聞こえた時は
私を迎えに来てくれた時。
私は、聞き逃さないように
耳を研ぎ澄まし
その足音を、ずっと探す。
迎えに来させる
用意をして待ってろ」
「うん」
「シュリの言う事を
よく聞くんだぞ」
なかなか、この部屋を
出て行こうとしない
庵の胸に、菫は抱きつき言う。
「イオリ、私、子供じゃないよ
心配しないで、大丈夫だから
早く、迎えに来てね」
庵は、見上げた菫の頭を優しく
撫でた後
この部屋を、出て行った。
彼の足音が、遠ざかって行く。
まだ、小さく、微かに
聞こえる足音。
そして、とうとう
何も聞こえなくなってしまった
だけど、これは、別れではない
今度、彼の足音が聞こえた時は
私を迎えに来てくれた時。
私は、聞き逃さないように
耳を研ぎ澄まし
その足音を、ずっと探す。