飴色蝶 *Ⅱ*
零れる涙
何ができる
庵の背中を見送ってから
一ヶ月半が経とうとしていた。
毎夜、聞こえる貴方の声に
ほっと安心しながらも
電話を切った後、寂しさは
押し寄せてくる。
庵と別れた数日後、要と朱莉に
案内された部屋に必要最小限の
荷物だけを持って、菫は
暮らしていた。
住み慣れない部屋には、菫の
お気に入りの物など何ひとつ
なく、生活の匂いすら感じる
事のできない空間
だだっ広い部屋に、彼女は
一人きり。
会社と、この部屋を行き来
するだけの日常に
菫は、嫌気が指していた。
そして、庵の事が心配で心配で
心は、不安な想いに囚われる。
真夜中に流れる水の音・・・
一ヶ月半が経とうとしていた。
毎夜、聞こえる貴方の声に
ほっと安心しながらも
電話を切った後、寂しさは
押し寄せてくる。
庵と別れた数日後、要と朱莉に
案内された部屋に必要最小限の
荷物だけを持って、菫は
暮らしていた。
住み慣れない部屋には、菫の
お気に入りの物など何ひとつ
なく、生活の匂いすら感じる
事のできない空間
だだっ広い部屋に、彼女は
一人きり。
会社と、この部屋を行き来
するだけの日常に
菫は、嫌気が指していた。
そして、庵の事が心配で心配で
心は、不安な想いに囚われる。
真夜中に流れる水の音・・・