飴色蝶 *Ⅱ*
会澤組側の抗争劇に、高月組
内部は、今までに無く
大きく揺れていた。

しかし、こちら側も、相手が
分かっている以上

今までのように、ただ指を
銜えて見ているだけでは無い。

やられたらやりかえすの元
警察の目を掻い潜り
会澤組幹部の私腹を肥やした
幹部の者達を一斉に潰しに
かかり大打撃を与え、会澤組を
土台から崩して行った。

どうして、ここまで高月組が
圧倒的、有利に駒を
進めていられるのか?

その背景には、会澤組の
内部事情があった。

若く、力を持つ組員の中には
会澤組長の独断な遣り方を
面白く思わない者達が
たくさんいた。

一日も早く若頭である新に
代替わりを熱望する彼らは
この抗争に意義を唱え、彼の力
をねじ伏せようとした。
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