飴色蝶 *Ⅱ*
ちょうどその頃、会澤組長の
家である立派な屋敷内の居間
では、組長と新が二人きりで
会って話をしていた。

組長は、携帯電話を手に
声を荒げて話している。

「必ず、三代目を仕留めろ
 分かったな」

携帯電話をとじる組長に
新は言う。

「組長、高月組との抗争よりも
 今は組内を立て直す方が
 先決なのでは・・・」

「内部抗争など、どうでもいい
 奴らは俺がいないと何も
 できやしない、放っておけ」

「お言葉ですが、組長、彼らを
 放っておいたばかりに
 今、会澤組は、高月組の勢い
 に押されているのではないの
 ですか?
 ここは一旦、高月組から
 引いて、組員達と話し合って
 団結して、再度、出直した方
 が宜しいかと思われます」
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