飴色蝶 *Ⅱ*
「今更、何を話し合う
 俺に付いて来れない奴は
 どこへでも行けばいい
 好き勝手に生きろ、だだし
 生きれるものならな
 
 それよりもアラタ、奴らは
 お前を一日も早く俺の後釜に
 据えたいようだが、まさか
 お前、奴らに関与して
 いるんじゃないだろうな」

疑いの眼差しで、会澤組長は
新を見つめた。

その瞳に、新は、遠い昔の
絶望を思い出す。

『俺の全てが欲しいからお前は
 トモエに近づいたんだろうが
 そんな事をしても無駄だ
 お前達は・・・』

新は脳裏に浮かぶ、思い出
したくない言葉を振り払う。

『あなたは、いつまで
 私を、そんな疑いの
 眼差しで見つめる?』

悲しい瞳で新は、組長を
見つめて告げる。

「組長、何度でも言います
 私は、この組を自分のものに
 しようなどとは思っていない
 ・・・信じてください」
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