飴色蝶 *Ⅱ*
ホテル前に乗り付けられた
車から、降りる巴。

「イオリ、後で部屋の番号
 を知らせるわね
 私、待ってるから」

「ああ」

彼女を残し、車は走り去る。

「親父、本当に彼女を
 その・・・
 抱くのですか?」

「・・・・・・」

庵は、硬く口を閉ざし

その後も、その事に付いて

何も語ろうとはしなかった。

時間だけが、過ぎて行く。

庵は向かう

彼女が待つ部屋へと・・・

貴方は決して、私を裏切らない

ねぇ、そうでしょう

・・・イオリ?
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