飴色蝶 *Ⅱ*
溢れ出した涙は止まらない。

庵が女性の肩を抱きながら
ホテルから出て来た姿が

繰り返し、繰り返し
 
脳裏に浮かんで消えては
くれない。

イオリ・・・

どうして

私を裏切ったりしたの?

どうして

私を悲しませたりするの?
 
いったい

私の何がいけなかったの?

私よりも彼女の事が好きなの?

あの約束は、嘘だったの?

私は、貴方を許す事ができる
だろうか。

違う・・・
 
貴方が、私を選んでくれる
とは限らない。

私がイオリに、捨てられる
かもしれない。
  

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