飴色蝶 *Ⅱ*

お前が全て

会澤組長は、早朝から自宅に
幹部達を集め、高月組との抗争
の件について話をしていた。

何の進展も無い今の状況に
憤りを覚えた会澤組長は
苛立っていた。

「どうなっているんだ
 三代目の命は、狙い損ねる
 トモエは、昨夜から
 帰って来ない
 ・・・・・・それで
 奴の女は、まだ
 見つからないのか?」

声を高ぶらせて激怒している
会澤組長に恐る恐る組員の一人
は言う。

「あれから、三代目のイロと
 思われる女の部屋を
 見張ってはいるのですが
 全く、それらしき人物が姿を
 現す事は無く、あそこに
 人が住んでいる気配すら
 今では感じられません
   
 きっともう、別の場所に身を
 潜めているのでは無いかと
 思われます
 親父、ここはもう、高月組に
 真っ向から乗り込んで
 決着を付けましょう
 その方が、一気に片が付く」
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