飴色蝶 *Ⅱ*

願うだけ

『ごめんな・・・』

夢の中、貴方は私にそう告げる

イオリ、謝ることなんて

何も無いよ。

何も無い・・・

ただ、私は願うだけ

貴方には、お爺さんになっても 
生きていてほしいと。

亡くした人達の分も、貴方には
笑って余生を過してほしい。

イオリ、お願い

命だけは大切にして

どうか、大切にしてください。

私は雪乃と更紗が24歳の誕生日
を祝ってくれると言うので
お洒落をして素敵なレストラン
へと出かけ、美味しいディナー
を食べながら、久しぶりに
女ばかり三人で話をしていた。

私は、話の成り行きで
二人に報告する。

「イオリとは別れたの
 ・・・・・・
 彼が今後、抗争に巻き込まれ
 ないで済む為には
 それが一番いいの」

私の言葉に驚く、雪乃と更紗。
< 18 / 410 >

この作品をシェア

pagetop