飴色蝶 *Ⅱ*
少し眠ったか

眠っていないかで
 
庵は体を起こし、ベッドの背に
もたれて座る。

そして、電気の点いていない
暗い部屋に、慣れた瞳で煙草を
取り、火を付け一服しながら
カーテンの開いた窓から見える
空を見つめた。

ずっと見つめていると、闇夜に
薄っすらと淡い光が射す。

光は、空一面に広がり、眩い光
となり大地へ降り注ぐ。

庵は変貌を遂げる空の

その一瞬、一瞬を

見つめながら、菫を想う。

あなたを想い続ける。

結局、一睡もできないまま

庵は、気だるい朝を迎えた。

すみれ、お前に逢いたい。

俺にとって、お前が全てだ・・ 

今夜、貴方に逢う・・・

私達は、どうなるんだろう?

菫の手がそっと、お腹に触れる
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