飴色蝶 *Ⅱ*
巴の両肩を、強く握り締めて
不安な表情を浮かべる新を
見た巴は、彼の思いに気がつく

「アラタ、もしかして、あなた
 ・・・・・・」

巴の部屋を力強く、ノックする
音が聞こえ、ドアが開く。

「失礼します
 カシラ、今すぐ本部事務所へ
 何でも高月組組長の自宅前で
 今朝、組長の女を捕まえた
 らしく、その女に逢う為に
 三代目が本部事務所に
 現われるそうです」

「何、分かった」

「どうしよう
 イオリに、何かあったら
 アラタ、お願い、私も
 連れて行って
 
 イオリが心配なの
 お願い・だ・か・ら」

新に、お腹を打たれて
気絶する巴。
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