飴色蝶 *Ⅱ*
彼女をベッドまで運び、そっと
横たわらせ
 
新は、眠る巴の頬に手を翳して
囁く。

「トモエ、お前は
 何も心配しなくていい
 ・・・・・・
 引き続き、トモエの見張り
 を頼む、絶対にトモエから
 目を放すな、分かったな」

新は、急いで巴の部屋を
出て行く。

ドアが、閉まる音が響く。

会澤組本部事務所の近くで
停車する一台の車。

エンジンを止め、鍵を抜き
車から降りようとドアに
手をかけた要に庵は言う。

「カナメ
 ここは、俺だけで行く
 お前は、この場所で仲間
 が来るのを待て」

「そんな親父、お願いです
 私も、一緒に連れて行って
 ください
 あなたに、もしもの事が
 あったら私は・・・」
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