飴色蝶 *Ⅱ*
貴方と私に

足りなかったこと

それは・・・

相手の事を想うあまりに
自分が今、どんな気持ちでいる
のか、何を悩んでいるのか
話して、伝えなかったこと。

私が貴方に、この胸の内に
引っかかる想いを話していれば
まだ、貴方の傍にいられた
かもしれない。

人と人が手を取り、共に同じ道
を進もうとする時
 
お互いに何でも言い合い
分かり合い、許し合えてこそ
前へ進む事ができる。
 
何も話さない庵

何も聞けない私・・・

そんな私達が、ずっと一緒に
いられる訳が無かったね。

私達は、ほんの束の間・・・
 
歩む速度が、時が

重なっただけ。

ただ、それだけのこと。

そう思うことで

私は平常心を保つ事ができた。


< 22 / 410 >

この作品をシェア

pagetop