飴色蝶 *Ⅱ*

憎しみに駆られ

会澤組の事務所のドアの前
要は、仲間を見つめる。

要の隣に立つ、透馬が大きく
頷いた。

要は、扉に手を翳し叫ぶ。
 
「皆、行くぞ」

ドアを開けて、なだれ込んで
くる、高月組の組員達に驚く
会澤組の組員達。

発砲する銃弾の音が響き渡る。

ドアの外の慌しい騒ぎ声に
庵は、仲間が来た事を知る。

「来たか・・・
 ドンパチが始まったようだな
 このドアの外では、惨劇が
 繰り広げられていると
 いうのに
 
 ここは、何て静かなんだ
 だが、直に、さつ(警察)
 が、嗅ぎ付けて来て
 この静けさも終わる
 
 その前に、早く、決着を
 付けた方がいいな」
  
そう話す会澤組長は、背中に
銃を突きつけられているにも
関わらず、庵へと向けた銃を
下ろそうとはしない。
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