飴色蝶 *Ⅱ*
父親の背中に、銃を
突きつける新。

重く、緊迫した空気が流れる。

会澤は、息子である新に
問いかけた。

「どうしてだ、アラタ?
 どうして、実の父親に
 お前は、こんな事ができる」

何も語ろうとはしない、新。

その場に居合わせた、幹部の
一人が会澤組長を掩護する為に
銃を取り出そうと腕を動かした

「動くな、動くと、親父を撃つ
 お前ら全員、銃を捨てろ
 早くしろ」
 
男達は銃を、その場に捨てる。
 
その中の一人が銃を捨てながら
叫んだ。
 
「カシラ
 こんな事止めてください
 あなたが組を裏切るなんて
 ・・・・・・」

「すまない」 

縛られたままの庵は、新に言う

「ホソヤ、銃を捨てろ
 俺とお前は、何の関係もない
 やめるんだ」
< 221 / 410 >

この作品をシェア

pagetop