飴色蝶 *Ⅱ*
掛け声と共に、今、この時・・

二人の銃が、捨てられようと
していた。

庵も、新も、会澤の言葉を
信じてしまった。

新の手から銃は離れ、床に
落ちる様を庵は眺めながら
新に向けた銃を下ろす。

部屋の外、のたうち回る男達。

味方なのか・・・

敵なのか・・・

もう何が何なのか

・・・分からない。

ただ、自分の守りたいもの
の為に

自分の思う道を、只管

突き進む、それだけだ。

乱舞する光景の中に、佇む
要達の耳に聞こえる。

銃声が響き渡る・・・

「親父」

庵へと、銃弾が飛んでくる。
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