飴色蝶 *Ⅱ*
そう、会澤は銃を捨てる
どころか、庵に向けて
発砲したのだった。

油断した二人・・・

「タカツキ」

銃弾は庵の脇腹を掠め
彼は、床に膝をつく。

痛みに耐える庵に歩み
寄ろうとした新の瞳に映る

捨てたはずの銃。

「これで、終わる」

会澤は、そう呟き

庵に、銃口を向けて

引き金を引く。

庵には、捨てたはずの銃を

握り締める新の姿が見える

・・・・・・

イオリのいる場所からここまで

そう遠くは無いだろう。

それなのに、どうして?

天と地ほどに遠く感じるの・・
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