飴色蝶 *Ⅱ*
鼓動は、どんどん激しくなり
 
菫は、生きているという事を
実感する。

聞きたいよ・・・

今すぐ、聞きたい

無性に、イオリの胸に

頬を寄せて

貴方の鼓動を聞きたい

菫は、そんな衝動に

駆られるのだった。

イオリ、貴方が恋しい。

恋しい・・・

「アラタ、やめろ」

庵の叫ぶ声と共に

銃声が響く・・・

新の放った銃弾は、父親である
会澤組長の左胸に命中した。
 
弾丸を受けた会澤は、その場に
血を流し倒れる。

何て事を・・・?

放心状態の新は、手に持つ銃が
床に落ちた音にさえ、全く
気づく事も無く呆然としていた
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