飴色蝶 *Ⅱ*
今宵だけ
今宵だけは
痛さに顔を歪める庵の元へ行き
彼を支えたい。
要の足が一歩、庵へと動く。
「カナメ、来るな
誰一人、ここへ
踏み込んで来るんじゃない」
庵は、血で赤く染まった手で
追い払う。
要は、一歩出した足を元に戻す
そして、庵に問いかけた。
「親父、怪我は?」
「今回も運よく、掠っただけさ
心配は無い
ここに集まっている皆に言う
一度しか言わない
よく聞くんだ
会澤組長の死を持って
今回の抗争は終わった」
親分の死を、目の当たりにした
会澤組の執行部の面々
構成員達の荒立った気持ちが
そんな言葉で
『はい、そうですか』と
治まるはずは無く
次々に、不満な声を漏らして
ざわめき出す。
「静まれ、静まるんだ」
要の声に、場内は静まる。
彼を支えたい。
要の足が一歩、庵へと動く。
「カナメ、来るな
誰一人、ここへ
踏み込んで来るんじゃない」
庵は、血で赤く染まった手で
追い払う。
要は、一歩出した足を元に戻す
そして、庵に問いかけた。
「親父、怪我は?」
「今回も運よく、掠っただけさ
心配は無い
ここに集まっている皆に言う
一度しか言わない
よく聞くんだ
会澤組長の死を持って
今回の抗争は終わった」
親分の死を、目の当たりにした
会澤組の執行部の面々
構成員達の荒立った気持ちが
そんな言葉で
『はい、そうですか』と
治まるはずは無く
次々に、不満な声を漏らして
ざわめき出す。
「静まれ、静まるんだ」
要の声に、場内は静まる。