飴色蝶 *Ⅱ*
「馬鹿馬鹿しい
 感謝の気持ちから、この俺の
 罪をお前は背負うと言うのか
 いい加減に・・・」

「親殺しは重罪だ、恐らく刑期
 も長くなるだろう
 俺は幸い、奴に拘束され
 撃たれている
 正当防衛を主張すれば、罪も
 少しは軽くなる」

「タカツキ・・・お前
 そこまでして何故、俺を?
 敵であるはずの俺に情けを
 かける」

庵が、雨が叩きつける窓を少し
開けると、パトカーの音が
どんどん近づき

もう、そこまで来ている事を
知らせる。

庵は、傷ついた体を壁にもたれ
させ煙草を取り出し銜える。
 
時々、痛さに顔を歪めながら
ポケット内を弄り、ジッポを
探すが見当たらない。

そんな庵の銜えた煙草に、新は
サッと火をつけた。

一服した庵は、傷に沁み入るの
か全く、おいしいと感じる事の
できない煙草を新に差し出した
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