飴色蝶 *Ⅱ*
「ただ、息絶える父親の傍で
 涙するお前を見た時
 
 その姿が、遠い昔・・・
 事故の後、父の亡骸に縋って
 泣いた、俺の姿と重なった
 お前が、会澤を心から慕って
 いた事が俺に伝わった
 大切な人を殺めてしまった
 お前の苦しみは、この先も
 ずっと永遠に続く
 
 その思いを抱えながら生きて
 行くお前一人に罪を負わせる
 事など俺にはできない
   
 俺の命を救ってくれた、お前
 の為にしてやれること・・・
 それは・・・そう思った俺は
 気づけば銃を、この手に
 握っていた
 でも、後悔はしていない」

庵の思いを知った

新の瞳から涙が流れた。

そう新は

心から父親を愛していたのだ。
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