飴色蝶 *Ⅱ*
「あなたって本当、最低な男
 変わって無いのは
 外見だけでなく内面も同じ
 ・・・・・・
 腹が立ったら、喉が
 渇いちゃった
 
 あなた、お酒を
 頂いてもいいかしら?」

「ああ、何でも好きなものを
 飲めばいい
 スミレの話から推測すると
 俺達は、昔の男と今の男って
 訳か?笑える話だな」

麻子は、首を振って話す。
 
「彼にとって私は
 言い寄ってくる
 女の中の一人・・・
 しかたなく遊んでやった女
 ってところかしら」

「マコ、おまえには悪かった
 と思ってる
 あの頃の、俺は・・・」

「もういいのよ
 綺麗な顔を叩いたら
 胸がスーッとなって
 気が済んだわ」
   
そう言って、強かに笑う彼女に
昔の暗い面影は無く、華やかに
変貌した姿に、庵は戸惑う。

「それよりもイオリ、あなた
 高月組の組長って話は
 本当なの?」

麻子の質問に、庵は頷く。



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