飴色蝶 *Ⅱ*
「会澤組の若頭が、この
 対立抗争の陰にいる事を
 俺達は知っている
 彼が何か関係あるのか?」

「ホソヤアラタ・・・アイツは
 何を考えているのか
 さっぱり摑めない男だ
 
 ただ、会澤組と高月組が契り
 を交わす事にアイツは
 反対していた
 
 組を抜けたいなどと話しても
 いたが、最近は、めっきり姿
 を見せなくなった
 所詮、組を抜ける事など
 できない」 

できない・・・

庵は、煙草を銜える。

その後も二人は気を使う事無く
話す事ができる相手に出会い
楽しい酒を飲みながら何時間
も語り合った。

そこへ、このクラブの年配の
ママが挨拶に訪れた。

「トウマちゃん、深刻なお話は
 そろそろ、そのぐらいにして
 うちの女の子達も呼んで
 頂けないかしら・・・
 みんな、そちらの男前な方と
 お近づきになりたくて
 仕事どころじゃ無いのよ
 ほら、皆
 強引に座っちゃいましょう」

その女性は、透馬の事を自分の
子供のように世話を焼く。

「俺の親父のコレ(女)」

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