飴色蝶 *Ⅱ*
菫は、誰も愛さなかった庵が
彼女の事を愛してしまった事
を知り、彼への熱い想いを
心の奥底に閉じ込めた。

庵は、朱莉の愛が、自分だけ
のものにはならない

・・・歯痒さ
 
遠い昔、違う、間違いだと
胸の奥に閉じ込めた想い

・・・菫への想い

緊張する手で菫に触れ
愛し合った、あの日
その想いは、溢れ出す。
 
四人の関係は、密に混ざり合い

そして、今の関係に落ち着いた

本来ならば、愛している人の
昔の恋人など知らない方がいい

ましてや、関係など持ちたくは
無い・・・

けれど、私達はどういう訳か
神様の悪戯で家族となり

悲しい事も嬉しい事も分かち
合う事のできる仲間となった。

この関係は、今後も崩れる事
は無い。

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