飴色蝶 *Ⅱ*

触れ合う

本当に、私で、俺で

・・・・・・いいの?

相手の事を思うあまり、口に
出して問いかけた言葉。
 
その答えは、同じ・・・

ずっと、変わらない。

『あなたがいい』

ずっと、変わらない?

菫を、両腕で力強く抱きながら
庵は、ふと思うのだった。

俺は、俺の問いかけに、菫が
どう答えるのか分かっている
くせにあえて同じ質問をする。

まるで、菫の想いを試すように

・・・

俺を、必要として欲しくて。

庵は、ソファーで眠る浬を軽く
抱き上げ、彼の部屋へと運び

そっとベッドに寝かせ
布団をかけてあげた。

そして、眠る浬の頭を優しく
撫でた後、部屋を出て行く。
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