飴色蝶 *Ⅱ*
「三代目、考え直しては
 頂けませんか?」

皆、庵が考え直してくれる事
を願いながら彼を見つめた。  

「俺の気持ちは、変わらない
 イノウ ハツマは
 俺に言った
 会澤組と抗争の際は、全勢力
 をかけてこの組の力になると
 その言葉を、俺は信じる」
   
庵の、真剣な眼差しを見た
幹部達は、その後、誰一人と
して庵の意見に反発する者は
いなかった。

親に従うのが、子の役目。

「宿敵の会澤組と、縁組みを
 行う事を思えば
 一代目の舎弟として、同じ
 志を持ち、過去にこの組の
 為に貢献した彼らを 
 もう一度だけ信じてみるのは
 どうでしょう」

要の言葉が後押しをして
伊納組と復縁する事が決定した

「親父、先代には・・・」

「先代には、俺から話す
 今夜にでも、時間を
 作ってもらってくれ」

「分かりました」
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