飴色蝶 *Ⅱ*
「何を頼まれてるの?
 私が、あなたの代わりに
 買って来てあげる」

「いい、急ぎじゃないから
 ・・・・・・」

「トモエに、買って
 来てもらえよ」

庵の役に立つことができると
目を輝かせる巴。

「じゃあ、これを頼む」

庵は、財布の中の紙を
彼女に渡した。

その紙に書かれた、子供の
字を見た巴は、庵の左手
薬指の指輪に気がつく。

「新しく出たゲームね
 待ってて
 すぐに戻るから・・・」

走って行く巴に、庵は叫ぶ。

「トモエ
 ゆっくりでいいから」

彼女の後姿を、並んで
見つめる庵と新。
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