飴色蝶 *Ⅱ*
「それでは、お邪魔します」

「お邪魔します」

晴樹と中で、様子を伺っていた
幹生は要の顔を見て声をかける

「あっ、いつかの・・・
 いらっしゃい」

要と若衆は、幹生と晴樹に
会釈した。

「一旦
 手を止めて飯にしよう」

幹生は差し入れられた袋を見た

「おっ、差し入れ、ありがたい
 もう俺、腹減って
 ペコペコ」

若衆は、袋から弁当を
取り出しながら聞く。

「適当に買って来たので、弁当
 何がいいっすか?
 魚、肉、どっちにします?」

「じゃあ、俺は
 肉でお願いします
 ハル、お前も肉だよな?」

「はい」

厳つい男の登場に、緊張する
晴樹の肩に手を置く庵。

「噛み付いたりしないよ」

晴樹の顔に、笑みが零れた。
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