飴色蝶 *Ⅱ*
毎日、毎日、行動を共にして
来た要と久しぶりに会えた
庵の心は、とても穏やかだった

昼食を取り終えた庵が、煙草を
銜えると要は、さっと
火を付けた。

幹生は二人が並ぶ姿を見て
庵を、ほんの少し遠くに感じる
のだった。

決して、二人の中に
割って入る事はできない。

時間は過ぎる・・・

玄関先で、要を見送る庵。

「うまい飯を、ありがとう
 カナメ、高月組は
 お前に任せた
 
 後を頼む・・・死ぬなよ」
 
「はい・・・
 親父、お体には気をつけて
 遠く離れていても、俺は
 ずっと、貴方の弟分です」

二人が別れようとしたその時
要の携帯が鳴る。

携帯に出た要はその内容に
つい答える声が大きくなって
しまった。

「それで、ホソヤは?
 駄目だ、それだけは
 ・・・できない」
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