飴色蝶 *Ⅱ*
正二の家から、自宅へ戻る
車内で庵は思う。
俺の父親は、この世にただ一人
『・・・・・・
女を悲しませるような奴は
男じゃない
女ひとり大事にできねぇ
くせに、何が極道だ
イオリ、男と男の約束だ
忘れるなよ』
庵は、自分の頬に手を当てて
軽く抓った。
子供だった庵には、一夜に
抓られた頬の痛みしか
感じる事ができなかった
今は痛い程に一夜の
伝えたかった想いが分かる。
そして今、この胸に
彼の言葉が突き刺さる。
半年の月日が流れ・・・
菫は新しいチーム、コンセプト
のもと、新しいブランドが無事
に形になり、確立され、自分の
デザインした作品が店頭に並ぶ
その光景を仲間と眺め喜びを
分かち合っていた。
仕事からの帰り道、菫は
ふと、夜空を見上げた。
暗い雲が今、この時
月を飲み込もうとしていた。
車内で庵は思う。
俺の父親は、この世にただ一人
『・・・・・・
女を悲しませるような奴は
男じゃない
女ひとり大事にできねぇ
くせに、何が極道だ
イオリ、男と男の約束だ
忘れるなよ』
庵は、自分の頬に手を当てて
軽く抓った。
子供だった庵には、一夜に
抓られた頬の痛みしか
感じる事ができなかった
今は痛い程に一夜の
伝えたかった想いが分かる。
そして今、この胸に
彼の言葉が突き刺さる。
半年の月日が流れ・・・
菫は新しいチーム、コンセプト
のもと、新しいブランドが無事
に形になり、確立され、自分の
デザインした作品が店頭に並ぶ
その光景を仲間と眺め喜びを
分かち合っていた。
仕事からの帰り道、菫は
ふと、夜空を見上げた。
暗い雲が今、この時
月を飲み込もうとしていた。