飴色蝶 *Ⅱ*
巴の部屋に、新と二人きり。 

「アラタ、兄さん
 今、何て・・・
 イオリに逢ったの?」

「ああ」

「じゃあ、イオリは、まだ
 この街にいるのね
 
 彼に逢いたい
 
 何処に行けば彼に逢える
 んだろう
 アラタ、知っているなら
 教えて?」

新は、首を左右に振る。

「教えてくれないのなら
 自分で探すわ」

クローゼットのドアを開けて
巴は洋服を選ぶ。

「アラタ、私、着替えるから
 出て行って」

洋服を選ぶ彼女を押しのけて
新はクローゼットのドアを
閉めた。

「何するの?」

「トモエ、やめろ
 ・・・頼むから
 もう、やめてくれ
 ・・・」
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