飴色蝶 *Ⅱ*
「・・・
 イオリと家族を、そっと
 して置いてやってくれ
 
 どんなに、お前がイオリ
 を思っても、奴の心に
 お前の入る余地はない」

「そんなこと、分かってるよ
 でも、どうしようもないの
 ・・・
 どうする事もできない」

庵への想いを捨てなきゃ
いけない事を

巴が一番、分かっていた。

だけど、できない・・・

新は、ある決心をして重い口
を開いた。
 
「トモエ、俺が今から話す事を
 絶対に
 他言しないと誓えるか?」

真剣な新の表情。

「それは、イオリに関係する
 ことなの?」

「ああ、イオリはもちろん
 俺にも関係する事だ
 黙って最後まで
 聞いてくれるか?」

「ええ、誰にも言わないわ」
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