飴色蝶 *Ⅱ*
新は、部屋の外に誰もいない事
を確認してドアを閉めた。

そして、八年前に起こった
出来事の全てを

巴に話して聞かせる。

父親を殺したのは自分だと
新は、語る。

その内容の濃さに頭が
混乱する巴。

「・・・そんな、じゃあ
 お父さんを殺したのは
 本当はアラタ、あなたで
 イオリは、あなたの罪を
 背負って刑務所に?」

「そうだ、俺はイオリに銃口
 を向ける親父を撃ったが
 それは、奴を守りたかった
 という思いからでは無い
 
 ただ俺は、俺と母を捨てた
 あの人の事を許すことが
 できなかっただけ・・・
 
 銃を構えた俺は復習したい
 気持ちに駆られて発砲した
 その銃弾は親父の胸を貫き
 彼は息絶えた・・・
 
 イオリは言った」

あの日の光景が甦る・・・
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