飴色蝶 *Ⅱ*
時計を見る、菫。

「カイリったら
 まだ起きてこない」
 
浬の部屋前、菫がドアをノック
しようとしたその時

ドアが開き、学校へ向かう準備
を済ませた、浬が出て来た。

「良かった
 ちゃんと、起きてたのね」

「うん、用意はできてるよ
 ママ、おはよう」
 
「おはよう
 朝ご飯できてるわよ
 顔、洗ってから
 いらっしゃい」

朝が苦手な庵は、眠たい目を
擦りながら黙って珈琲を飲む。
 
「パパ・・・おはよう?」

「おはよう」

浬は、朝食の置かれたテーブル
の前、自分の椅子に座りながら
菫に聞いた。

「ママ、こんな時間に
 パパがいるなんて
 めずらしいね」

「そうね」

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