飴色蝶 *Ⅱ*
正二の行きつけの料亭に
口を利いてもらい
営業時間外に部屋を借りて
話をする庵と新。

護衛は外に待たせ、互いに
付き人は一人だけ。

庵の傍には、要がいる。
 
庵の鋭い視線に、新は自分の
全てを見透かされるような
気がした。

「どうして、会澤組と縁組を
 行わないのですか?
 うちの組と組めば、高月組
 は安泰なはず」

「縁組を行わない方がお前に
 とっては好都合なはずなのに
 どうして、お前は俺にそんな
 質問をする?」

庵の質問に、ドキッとした
新は全てを話す。

「私が、伊納組に話した事は
 全て、嘘
 縁組に反対している
 組を辞めたい等、全て
 彼らを利用させてもらう為に
 付いた嘘です」

「やっぱり、そうか」
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