飴色蝶 *Ⅱ*

「そうか、イオリ
　今から俺が言うことを
　必ず守れ
　なるべく外出は控えるんだ
　どこかに、身を隠すのもいい
　護衛は今の倍は付けろ
　絶対に一人にはなるな
　
　必ず、鉄砲玉を使って
　この数日中に、お前の首を
　狙ってくる
　
　もはや抗争は免れない
　会澤組若頭の・・・」

「ホソヤ　アラタ」

「そうだ、奴には気をつけろ
　それから大事な女には
　当分逢わない方がいい
　巻き込みたくなければな
　
　もしかしたら、面が割れて
　いるとも限らない
　会澤は、どんな卑劣な事でも
　平気でする男だ
　女だろうが容赦は無い
　彼女を、どこか安全な場所に
　避難させた方がいいだろう
　シュリに頼んでみるといい」

「はい」

「イオリ、お前に話さなくては
　いけない事がある
　お前の出生に関わる
　大切な話だ
　この抗争が落ち着いたら
　全てを話す
　だから、死ぬんじゃないぞ
　無茶はするな、分かったな」