飴色蝶 *Ⅱ*
正二の家の前、一台の車が
停まっている。
車の傍に立つ、伊納 透馬。
「親父
お迎えに上がりました」
「ああ、すまない」
車へ乗り込む庵は、思う。
すみれ・・・ごめんな
ずっと、お前の傍にいてやると
約束したばかりなのに・・・
お前の元へ、帰れそうにない。
こうなる事は、分かっていた。
それなのに、俺は・・・
お前の喜ぶ顔が見たかった
ばっかりに
すぐには、叶えてやれない事を
分かっていながら約束をして
しまった。
お前の元へ帰りたい。
だけど、帰れない。
菫の幸せは
庵と一緒になること。
庵の傍にいること。
俺が傍にいたら、お前を
危ない目に合わせてしまう。
だから、今は帰れない。
停まっている。
車の傍に立つ、伊納 透馬。
「親父
お迎えに上がりました」
「ああ、すまない」
車へ乗り込む庵は、思う。
すみれ・・・ごめんな
ずっと、お前の傍にいてやると
約束したばかりなのに・・・
お前の元へ、帰れそうにない。
こうなる事は、分かっていた。
それなのに、俺は・・・
お前の喜ぶ顔が見たかった
ばっかりに
すぐには、叶えてやれない事を
分かっていながら約束をして
しまった。
お前の元へ帰りたい。
だけど、帰れない。
菫の幸せは
庵と一緒になること。
庵の傍にいること。
俺が傍にいたら、お前を
危ない目に合わせてしまう。
だから、今は帰れない。