飴色蝶 *Ⅱ*
「カナメさん、イオリは・・」

「親父でしたら、用事が済み
 次第、今日も、スミレさん
 の家の方へ帰られますよ」

「そう、ありがとう」

いつも静かな車内には
賑やかな女性陣の声が響き渡り

要の耳にまで会話が聞こえきて
つい笑みが零れてしまいそうに
なるのを、彼は必死で
堪えていた

更紗を、彼女の家の最寄駅に
送り届け、別れた後

車は雪乃の家へと向う。

「そうそう、サラサも
 今の彼と結婚の話が出てる
 らしいよ
 また、決まったら
 報告してくれるって」

「本当、そうなんだぁ
 確か年下の彼だよね?」

「うん、ミキちゃんの従兄弟」

「そうだったね
 ユキとミキオさんはどうなの
 結婚とか考えてるの?」

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