飴色蝶 *Ⅱ*
「そうだ、私
 部屋の鍵を持ってるから
 今度、一回、見においでよ
 
 どの部屋も、間取りは
 同じだと思うから・・・
 何なら、担当の人に聞いて
 あげてもいいよ」

「本当
 イオリに話してみるね」

「そうだ、それがいいよ
 そうしなよ
 ミキちゃんも喜ぶわ」

雪乃と別れて、家へと帰る
車内。

「スミレさん、新居が
 見つかりそうで
 良かったですね」

「はい、早く、イオリに
 逢って話したいです」

その時、菫の携帯電話の
着信音が車内に鳴り響いた。

「イオリからだぁ
 もしもし、イオリ
 もう着いたの?
 ・・・・・・」

・・・何も話さない菫。
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