飴色蝶 *Ⅱ*
「はい、分かりました
 親父、今日は、私がここで
 待機していますので
 
 彼女さんと、どうぞ
 ゆっくりなさってください
  
 女なんて優しく抱いてやれば
 すぐに機嫌も直りますよ」

庵は、右側の口角だけをあげて
微笑む。

「あいつは、きっと
 触れさせてもくれないよ・・
 
 トウマ、ここで待機している
 必要は無くなった」
 
庵が、目を向けた先に
要の姿があった。

「後は、要に任せる
 ありがとう」

透馬の車は、走り去る。

「すみれは?」

「泣いていらっしゃいました」

「そうか」

「親父、護衛を
 増やしましょうか?
 
 私だけでは・・・」
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