~秘メゴト~
 現在の彼には、温もりを分かち合える存在は在るのだろうか?


 許されるなら、その存在に私がなりたい。


 彼が凍えて動けなくなったときに、温めてあげられる存在に。


 そう、強く願った。





 その日、ほのかな茜色に色づく家路を、私たちは初めて手を繋いで歩いた。






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