~秘メゴト~
第5章 傷

カノジョのこと

 先輩と私の関係は、少しずつ変わりつつあった。


 毎朝一緒に登校し、お昼は屋上で私の作ったお弁当をふたりで食べ、放課後は彼が私の教室へ迎えに来てから部活へいき、そして帰宅も勿論一緒。

 時々、先輩はお母さんの誘いに負けて、私の家で夕食を食べていく。

 お父さんもおにいちゃんも先輩が気に入ってしまって、お休みの前日には度々晩酌まで付き合わせるし…。 

 もうそうなったら私なんかお呼びじゃないの。

 先輩のお布団を敷いて、ただひたすらテレビみて待ってるだけ。


 土日は、どちらか一日は先輩の家に遊びに行って、夕食を作って帰ってくる。


 曲がりなりにも彼は受験生なのだから、と自粛したいところなんだけれど、先輩はただ笑って、今のままでいい、と云う。


 傍からみれば、本物の、とっても仲の良い恋人同士だんだけれど。





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