~秘メゴト~
 どのくらい時間が経ったのだろうか。

 ――もう雨の音も聞こえない。


 有は重い身体を姫乃から離し、のろのろと立ち上がって服を整え始めた。


 姫乃も意識を取り戻し、未だ震える身体を起こそうとするが、全く力が入らない。




 ―――…私。



 身体の軋むような痛みに、今までのことが現実だったことを思い知らされ、茫然としてまた涙が溢れ出した。







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