~秘メゴト~
「おっ そうだな。食べていかないかい? 我が家のグラタンは美味いぞ!」

「えっ…あ 有難うございます。でももう遅いですから」

「ええ〜っ。つまんないわ!」

「ご両親が心配なさるかな?」


 心底残念そうな両親。


「また今度、良かったらご馳走してください…じゃ失礼します」


 少し微笑んで、有はまた会釈をした。

 そして、姫乃に小さく「おやすみ」と呟くと、両親ににっこり笑って帰っていった。

 遠ざかる彼の後ろ姿に、馨が叫ぶ。


「今度は一緒にお酒でも呑もうな!」


 有は振り返り、ははっと笑ってまた深く頭を下げた。


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