~秘メゴト~
 自分の顔を見詰めたまま、何も答えず固まっている有を訝しみ、亀田は持っていた雑誌で有の頭を軽く叩いた。


「おい、どうしたんだよ?」

「えっ…いや。…んなもんでアタマ叩くなよ。アホになる」


 亀田が手にしていたのは、青少年にとってはとても有り難い類の雑誌だった。


「バカ言え。おまえもいっぺん世話になってみろ。こいつの素晴らしさが身に染みるぞ」

「…興味ないね」

「くぁ〜! ムカつくな〜っ。そりゃ有はモテるからな。こんなもんに世話にならなくてもより取り見取りだろうが」


 一旦言葉を切り、亀田はぐいっと有に詰め寄った。

「姫乃ちゃんだけは、違うんだろーな?」

「…どういう意味だよ」

「付き合ってんだろ? 遊びじゃあないよな?って訊いてんの!」


 亀田は益々有に近付き、食い入るように顔を覗き込んで来た。




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