†禁愛†~明日もあなたをスキになる~【完】
  


「叶音ちゃん今、先生呼んで来るから。」


「待って!行かないで!!」


 叶音は、戍の腕を掴んで言った。


「いいよ。傍に居るから少し休んで。
(ふっ…掛かったな。)」


 戍は、笑って叶音に優しく言った。


「ありがとう。」


 叶音は、言ってベッドに横になった。

 『罠』とも知らずに。



「え、叶音?」


「あぁ、何処か知ってるだろう?」


 屋上に居た留美に煌は、聞いた。


「教えてあげる。さっき戍と一緒居るのを見たわ。」


「えっ?」


 煌の複雑そうな表情に留美は、ニッタリ心の中で笑っていた。



 茨の中で眠る姫
  茨は、『罠』だ。
 醜い『欲望』の
  『罠』なのだ。


  
< 57 / 265 >

この作品をシェア

pagetop