翡翠の悪魔~クライシス・ゾーン~
後方で無数の爆発音──破裂音というべきか。
軽い土煙を巻き上げて鳴り響く奇怪な音に人々の注意が向いた。
リュートもほんの一瞬目を見張ったが生じた隙を逃さず一足跳びで吊り網のロープを切る。
すぐさま矢と光弾が放たれ、ティリスに覆いかぶさって身を堅くした。
「「!?」」
頭上からしなやかに舞い降りた人影。
その影は矢を左腕で受け、光弾を弾ける泡のようにかき消した。
ややうつむきながら低いうめき声を上げて左腕の矢を引き抜くと、矢傷がみるみるふさがっていく。
それに目を奪われたのはリュートとティリスだけではない。
後方で鳴っていた破裂音は消え、足止めされた者たちも魅入られるように突然現れた人影に集中していた。
鬱蒼(うっそう)とした森の中で、かすかに届く木洩れ日が人影を照らし出す。
人影は、うつむいていた顔をゆっくりと上げた。
誰もがただ一つのことを確かめるために、釘づけになった。
ある者は、その身を小刻みに震わせながら。
ある者は、舞い上がる木の葉で視界がさえぎられるのをもどかしく感じながら。
堅く閉じられたまぶたの裏にあるもの。それだけに注目した。
やがて、まぶたが重々しく開かれ、印象的な光を放って現れた切れ長の瞳は──
軽い土煙を巻き上げて鳴り響く奇怪な音に人々の注意が向いた。
リュートもほんの一瞬目を見張ったが生じた隙を逃さず一足跳びで吊り網のロープを切る。
すぐさま矢と光弾が放たれ、ティリスに覆いかぶさって身を堅くした。
「「!?」」
頭上からしなやかに舞い降りた人影。
その影は矢を左腕で受け、光弾を弾ける泡のようにかき消した。
ややうつむきながら低いうめき声を上げて左腕の矢を引き抜くと、矢傷がみるみるふさがっていく。
それに目を奪われたのはリュートとティリスだけではない。
後方で鳴っていた破裂音は消え、足止めされた者たちも魅入られるように突然現れた人影に集中していた。
鬱蒼(うっそう)とした森の中で、かすかに届く木洩れ日が人影を照らし出す。
人影は、うつむいていた顔をゆっくりと上げた。
誰もがただ一つのことを確かめるために、釘づけになった。
ある者は、その身を小刻みに震わせながら。
ある者は、舞い上がる木の葉で視界がさえぎられるのをもどかしく感じながら。
堅く閉じられたまぶたの裏にあるもの。それだけに注目した。
やがて、まぶたが重々しく開かれ、印象的な光を放って現れた切れ長の瞳は──