翡翠の悪魔~クライシス・ゾーン~
◆第1幕
†悪魔退治の依頼†
「悪魔退治だと?」
「ああ、今一番金になりそうな仕事はこれだな。なんと、報酬3万ルピーだぜ! どうだい?」
冒険者ギルドを兼ねた酒場。
まだ夕暮れ前で人もまばらなカウンターの片隅(かたすみ)で、威勢のいいマスターの声が反響する。
それに、グラスをかたむけていた青年が眉をひそめた。
確かに3万ルピーは破格の報酬だ。半年は生活に困らない。だが……
「詳細を聞かないと、なんとも言えん」
報酬の高さと危険度は比例する。腕組みをしながらぶっきらぼうに返した。
そんな横柄な態度に、マスターは気を悪くした様子もなくつぶやく。
「まだ若いのに慎重だねぇ」
「……いくつに見えた?」
「は?」
青年はやや身を乗り出して低い声でもう一度問いかけた。
「俺が、いくつに見えたんだ?」
「25くらい?」
「……詳細を教えろ」
低い声がさらに低くなった。
この青年は19歳。40代のマスターから見れば25でも19でも若いことに違いはないのだが。
たくさんの冒険者を見てきたマスターも、さすがにまだ10代とは見抜けなかったらしい。
それも無理からぬこと。
「ああ、今一番金になりそうな仕事はこれだな。なんと、報酬3万ルピーだぜ! どうだい?」
冒険者ギルドを兼ねた酒場。
まだ夕暮れ前で人もまばらなカウンターの片隅(かたすみ)で、威勢のいいマスターの声が反響する。
それに、グラスをかたむけていた青年が眉をひそめた。
確かに3万ルピーは破格の報酬だ。半年は生活に困らない。だが……
「詳細を聞かないと、なんとも言えん」
報酬の高さと危険度は比例する。腕組みをしながらぶっきらぼうに返した。
そんな横柄な態度に、マスターは気を悪くした様子もなくつぶやく。
「まだ若いのに慎重だねぇ」
「……いくつに見えた?」
「は?」
青年はやや身を乗り出して低い声でもう一度問いかけた。
「俺が、いくつに見えたんだ?」
「25くらい?」
「……詳細を教えろ」
低い声がさらに低くなった。
この青年は19歳。40代のマスターから見れば25でも19でも若いことに違いはないのだが。
たくさんの冒険者を見てきたマスターも、さすがにまだ10代とは見抜けなかったらしい。
それも無理からぬこと。